熱中症対策というとまずは「こまめな水分補給」と思われる方が多いのではないでしょうか。
それに加えて、高齢者が注意したいのが、栄養不足です。暑いと若年者でも食欲が落ちやすいですが、特に高齢者は加齢により食事量が減少する傾向があり、特に暑いと食欲不振になりやすく栄養が不足がちです。十分な食事が摂れていないと、体力の低下につながり、熱中症になる危険性が高まります。
さらに、高齢の親が一人暮らしだと「ちゃんと食事を摂れているのかな...」と不安に感じることもあるのではないでしょうか。
そこで、今回のコラムでは、どのような食事が高齢者の熱中症対策として最適かを解説するのに加えて、親の食生活をさりげなく見守る方法をお伝えします。
(参考:『高齢者の熱中症予防と対策! 効果的な栄養素や食事とは!?』
見守りサービスという選択肢も!
熱中症予防に効果的な食生活:3つのポイント
暑い日は、体温調節や発汗などにより、自覚している以上にエネルギーを消費しているため、高齢者の方が夏バテしないためには、特に体力の維持が重要です。
そこで、熱中症対策としての食生活のポイントを以下にお伝えします。
1.暑さ対策を意識した栄養素を摂る
暑さに耐えられる体力づくりには、特に以下の栄養素を摂ることが重要です。
汗と共に失われるカリウムとナトリウムを摂る
汗には水分だけでなく、ナトリウムやカリウムなどの電解質が多く含まれています。 これらの電解質は、神経細胞や筋肉細胞の働きに関わるなど、重要な役割を果たしています。そのため発汗により、電解質が不足すると、筋肉の収縮運動に異常が生じ、こむら返りが起こりなど、熱中症の症状を引き起こします。
電解質は、人の体内では作り出すことができないため、汗で失われた分は食べ物や飲み物から補う必要があるのです。ただし、食塩の主成分であるナトリウムは、過剰な摂取には注意が必要です。
・カリウムが多く含まれる食べ物:野菜、海藻、果物、肉、魚など
・ナトリウムが多く含まれる食べ物:食塩、梅干し、醤油、味噌など
糖質でエネルギー補給する
暑い日は、体温調節などでエネルギーを消耗するため、血糖値が低下します。そこで必要になるのが、糖質によるエネルギー補給です。糖質は、身体や脳を動かす即効性の高いため、疲労からの回復にも役立ちます。さらに、糖質には小腸がミネラルや水分を吸収する促進する役割があります。
暑さに負けない身体を作るには、炭水化物や糖分などエネルギーの源となる栄養素を積極的に摂るようにしましょう。
ただし、過剰な摂取は肥満や糖尿病の原因になる可能性もあるので、適量にとどめるよう注意してください。
・糖質が多く含まれる食べ物:米、パンなど
ビタミンB1を摂取して疲労回復
ビタミンB1には、糖質を分解してエネルギーにする働きがあるため、疲労回復に不可欠です。逆にビタミンB1が不足すると疲れやすくなります。
さらに、糖質は脳や神経系のエネルギー源でもあるため、ビタミンB1を摂ることで、精神が安定し、イライラを抑制できます。
またビタミンB1は、アリシン(イオウ化合物の一種)と一緒に食べると吸収力が高まると言われています。
体力を消耗しやすい暑い日は、疲労回復効果のあるこれらの栄養素を一緒に摂ることをお勧めします。
・ビタミンB1が多く含まれる食べ物:豚肉、うなぎ、大豆、きのこ類など
・アリシンが多く含まれる食べ物:玉ねぎ、長ネギ、にんにく、にらなど
筋力を構成するロイシンを摂る
筋肉は水分の貯蔵庫の役割を果たしてます。そのため、筋肉量が少ないと、体内に保持できる水分が減り、脱水から熱中症を引き起こしやすくなります。
特に、加齢により筋肉量の落ちている高齢者は、熱中症のリスクが高くなります。筋肉をつけるもしくは維持するためには、身体を動かすのと同時に、筋肉を構成するタンパク質を摂取することが重要です。
タンパク質はアミノ酸から構成されていますが、その中でも、筋肉の合成を促す効果が高いロイシンを摂取することがポイントです。またロイシンは、体内で生成することができない必須アミノ酸の一つであるため、食べ物から摂ることが重要になります。
・ロイシン(必須アミノ酸)が多く含まれる食べ物:鶏肉、豚肉、牛肉などの肉類全般、まぐろやかつおなどの赤身魚、大豆製品(納豆や豆腐など)、乳製品(チーズやヨーグルトなど)、卵など
2.食事から水分を補給する
人は排泄、汗などを含めると、一日に約2.5Lもの水分を失うと言われています。そのため厚生労働省は、成人が1日に必要とする水分量を約2.5Lとしています。
これを聞いて「一日に2.5Lも飲料はしていない」と思う方がほとんどではないでしょうか。実は、成人の場合、一日1Lの水分は食事から得ているとされています。そこで、小まめな水分補給の他、3食しっかりと食事を摂ることが熱中症対策として重要でしょう。
3.朝ごはんに味噌汁を飲む
人は寝ている間に、発汗や呼吸などで、約500mlの水分が失われており、起床時は脱水気味になっていると言います。そこで、朝起きたら水を飲むことはもちろんのことですが、2024年の取材時に75歳であったシニア医師の鎌田先生によると『ごちそうみそ汁』に勝るものはないと言います。
「タンパク質も野菜もこれ1杯でカバーできます。さらに、牛乳を入れるとカルシウムも。味がまろやかになって病みつきになります。朝食を食べない人は、まずはみそ汁から始めてほしい。」
と先生は語っています。
しかしながら、一人暮らしの高齢者だと、「朝味噌汁を一人分作るのは面倒だ…」ということがあるかもしれません。手軽にできる栄養補給として、インスタントの味噌汁にひと手間加えることも一つの手です。例えば、先にご紹介した、疲労回復効果のあるビタミンB1の含まれる卵を入れる、ビタミンB1の吸収を促進する効果のあるアリシンの含まれる長ネギを刻んで加えるといった方法でも効果を得られるでしょう。
「高齢の親が食が細くなっていて心配…」という方は、手軽で効果の高い熱中症対策方法として、是非勧めてみてください。
(参考:『熱中症対策は食べ物から。夏に備えよう!』/『熱中症予防に役立つ食事とは?夏バテでも食べやすく栄養バランスのいいレシピを紹介』/『高齢者の熱中症に注意!予防に効果的な対策や食事について解説』/『1日に必要な水分量は?水の重要性と水分補給のタイミング』/『暑い日こそ栄養補給!熱中症を予防する食べ物・飲み物』/『水だけでは不十分!熱中症対策にはタンパク質を』/『《シニア医師の「長生き朝食」》1日の食事量の4割が朝食!驚異のスタミナを持つ鎌田實医師75歳、“タンパク質多めとごちそう味噌汁”「今の食生活を続けて50年」』)
一人暮らしの親の食生活をさりげなく見守る
上記から明らかになったのは、高齢者の熱中症対策には、水分補給だけでなく、朝食に味噌汁など体力づくりを意識した食事をすることが重要だということです。
高齢の親が側に住んでいる場合は、普段から食事の様子を見に行ったり、食事を作ってあげたり、必要な食材を届けてあげることもできるかと思います。しかしながら、遠くに住んでいる場合などは、親の食生活をサポートしたり把握したりすることは難しいかと思います。
そこでお勧めしたいのが、冷蔵庫にも簡単に取り付けられるセンサー型の高齢者見守りサービスです。『ひとり暮らしのおまもり』は、見守る側(子)のアプリから『モーションアラート』をオンにすることで、親の冷蔵庫の開閉があった時に、見守る子の側のアプリに通知が行くため「ちゃんと食事をしているのだな」を知ることができ、さりげなく見守ることができます。
逆に『モーションアラート』をオフにするといった使い方もできるので、一定時間冷蔵庫に動きがなかった場合だけ通知が行くというような、程よい距離感を保った見守りも可能です。
季節に合わせて柔軟な見守りが可能
更に、『ひとり暮らしのおまもり』は、センサーの設置場所も、玄関のドアなどテープ一つで張り替えることができるので、風邪を引きやすい冬の季節は寝室のドアに取り付けるなど、状況に合わせて柔軟な使い方ができます。
実際、 『ひとり暮らしのおまもり』の開発者も一人暮らしの母親の寝室のドアにセンサーをつけ、モーションアラートをオフにしてていたのですが、一定時間動きがなかったというアプリに通知を受けて、電話をしたところ、具合が悪くて寝ていたということがわかったと言います。
親と子の状況に合わせて簡単に設定や設置を変えることができる見守りサービスをお探しでしたら、『ひとり暮らしのおまもり』の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
>関連記事:『開発者秘話・裏話②:『見守られる側』が「動かない時」に通知が行くシステムにした理由とは』
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