高齢者見守りサービス、『誰』が見守る?家族で見守ることのメリット

高齢者見守りサービス、『誰』が見守る?家族で見守ることのメリット

 高齢化社会が進むにつれ「高齢の親が一人暮らしをして、今は元気だけれども何かあった時は心配だ・・・」というようなお悩みを抱える方が、年々増えてきていると言われています。そのような背景から、高齢者見守りサービスへのニーズも確実に高まっています。2020年に262億円だった高齢者見守り・緊急通報サービスの市場規模ですが、2030年は381億円に拡大するとも予測されています。
市場が拡大するにつれ「どのような『高齢者見守りサービス』を選んだらよいかわからない」ということをお伺いすることが多くなりました。
そこで今回のコラムでは、「『誰』が見守ることが最適なのか」という視点から、高齢者見守りサービスを検証してみたいと思います。

家族みんなでLINEグループから見守るという選択肢も!

(参照元:「2021年版 高齢者見守り・緊急通報サービス 市場動向とニーズ調査シード・プランニング 2021年11月)

 

『サービス事業者が見守る』『家族が見守る』サービスを比較

見守りサービスの種類は大きく分けて『サービス事業者が見守る』『家族が見守る』2つの方法があります。以下にそれぞれどのようなものがあるのか、メリット・デメリットも含めてご紹介致します。

 

【『サービス事業者が見守る』高齢者見守りサービス】※税込み/2024年3月現在

見守りサービスの種類

サービス名/
提供事業者
月額料金
(税込)
サービス内容 メリット デメリット
1 電話での会話型 つながりプラス/
株式会社こころみ
¥8,800 毎週1回お電話&ライフレポート 他者とのコミュニケーションのよい機会になる 相手の表情が見えない電話での会話は、かえってストレスになる可能性がある
2 複合型 ホームセキュリティ/セコム株式会社 ¥4,840
*注1
急な体調不良だけでなく、犯罪、火災など実家におけるあらゆる緊急事態を見守り、異常を感知したら24時間365日スタッフが駆け付けてくれる 実家にいる親の安全を総合的に見守ってもらえる 初期費用として工事費などの設定費がかかるのと月額月額の契約料金が高め
4 通報型 ALSOK/
綜合警備保障株式会社
¥2,750
*注2
緊急ボタンを押すと、24時間365日いつでも実家にスタッフが駆け付けてくれる

24時間365日いつでも実家に向かってくれるスタッフが待機している

通報ボタンを押せないような重篤な状況に対応できない可能性がある
5 訪問型・宅配型 郵便局の見守りサービス/
日本郵便株式会社
¥2,500 月1回30分の訪問 他者とのコミュニケーションのよい機会になる 急な体調不良や転倒などにリアルタイムに対処できない

 *注1・2:月額レンタルプランの場合 

【『家族が見守る』高齢者見守りサービス】※税込み/2024年3月現在

見守りサービスの種類

サービス名/
提供事業者
月額料金
(税込)
サービス内容 メリット デメリット 複数名での見守り
1 カメラ型 みまもりCUBE/
株式会社ラムロック

¥5,940*


*1年プランの場合

ライブ映像・録画映像の確認、会話機能 自身のスマホで実家の様子をいつでも都合の良い時や気になった時に確認できる プライバシーの侵害から親がカメラを嫌がる可能性がある

可能

各自アプリをダウンロード

2 家電型 Hello Light/ハローテクノロジーズ株式会社

¥495

初期費用:¥10,780

1日の間に点灯と消灯の動きがないと、お知らせが届きます(期間検知)。 電球内のSIMが発信するため、特別な専用機器やWi-Fiの設定が不要 電気の消し忘れの時にも連絡が行くため、誤報となる可能性がある

可能

各自アプリをダウンロード

3

センサー型(USB型) 高齢者みまもりサービス
まもりこ

 

¥550
本体価格
¥13,200

 センサーを設置した場所に動きがないと異常通知がアプリ届く(1日3回判定)
※朝(8時)、昼(14時)、夜(20時)

毎日使う場所にさりげなくセンサーを設置することができるので、プライバシーを守りながら見守りができる

センサーを電源コードでつなぐ必要があるので、設置できる場所が限られている

1日の判定回数が固定なので異常事態をリアルタイムで知ることができない

可能

各自アプリをダウンロード

4 センサー型(電池型) ひとり暮らしのおまもり/株式会社日本ビジネス開発 ¥770 センサーを取り付けた場所(ドアなど)が一定時間動かない異常事態になると通知がアプリに届く

毎日使う場所にさりげなくセンサーを設置することができるので、プライバシーを守りながら見守りができる

「一定時間動きが無い時の異常事態通知」が来るまでの時間を5~18時間の間で自由に設定できる

一定時間動きがない時にお知らせが行くので異常事態をリアルタイムで知ることができない。(ただしオプションのケアウォッチで異常を知らせることが可能)

可能

最低1名がアプリをダウンロード


LINEグループから家族みんなで見守りが可能

上記のように『サービス事業者が見守る』『家族が見守る』サービスのメリット・デメリットがそれぞれありますが、重要なことは、自身の状況に合わせた見守りサービスを選ぶことです。

(参照元:「高齢者見守りサービスの種類とは?それぞれの特徴を比較」Glimpse 2022年10月)

 

『サービス事業者が見守る』高齢者見守りサービスが向いている方

『サービス事業者が見守る』高齢者見守りサービスは、以下のような方に向いています。

・見守る側がスマートフォンをお持ちでない方
・見守る側が単身で一人で見守ることに不安がある方
・見守る側も高齢で健康状態に問題のある方

家族のあり方が多様化する中、親だけでなく、見守る側の子も一人暮らしをしている、兄弟がいない、もしくはいても海外に住んでいるなどして、事情があって頼れないという方もいるかと思います。
特に、自分自身も高齢であったり、健康状態に問題がある場合、一人で見守るというのは精神的にも「いざという時はどうしよう」と不安に思うこともかもしれません。
そのような状況にある方には、『サービス事業者が見守る』高齢者見守りサービスをお勧めしたいと思います。
ただ一点、注意したいのは『サービス事業者が見守る』高齢者見守りサービスは、何かあった時にまず事業者に連絡が行き、それから見守る側の子に連絡が行くため、どうしても緊急事態を知る際に、タイムラグがあるということです。
「親に何かあった時はまずは自分が知りたい」という気持ちを優先したい場合は、『家族が見守る』高齢者見守りサービスをお勧めしたいと思います。

 

『家族が見守る』高齢者見守りサービスが向いている方

『家族が見守る』高齢者見守りサービスは、以下のような方に向いています。

・見守る側がスマートフォンをお持ちの方
親に何かあった時はまずは自分が知りたい方
・見守りに参加できる家族が複数名いる方

『家族が見守る』高齢者見守りサービスの利用方法で特にお勧めしたいのが、複数名での利用です。家族みんなで見守ることで、「私が見守らなければ」というプレッシャーから解放されます。
ですが、複数名で見守るが故のリスクもあります。というのも、『家族が見守る』高齢者見守りサービスの多くが、各自でスマートフォンに専用のアプリをダウンロードして使用するので、他のメンバーの見守り状況を確認することができません。そのため、「誰かが見守っているだろう」「誰かが気づくだろう」という気の緩みからいざという時の異常を見落としてしまう危険性があります。
そこで『家族が見守る』高齢者見守りサービスを選ぶ際にお勧めしたいのが、見守る側同士でコミュニケーションをとりながら見守る機能がついているものです。

LINEグループで家族みんなで見守る高齢者見守りサービス

「一人暮らしの見守り」には、「LINEグループとの連携」が実装されています。使い方は簡単で、通知用のグループを作成し、その中に「通知用公式アカウント」「通知を受け取りたい人のアカウント」を追加することで、アプリを入れていない人でもLINEを通して異常事態のお知らせを受け取ることができます。

「LINEグループとの連携」を利用することで、兄弟、子、孫など家族みんなでコミュニケーションをとり、協力し合いながら見守ることができます。
親が実家に一人暮らしをしても、家族みんなで見守ることでお互いのことを想うきっかけになり「見守られている」「見守っている」という心の絆が深まると言えるのではないでしょうか。実際に『ひとり暮らしのおまもり』の開発者も実際に利用してみて、実家に一人暮らしをする母親のことを想うことが多くなり、電話で話すことも以前よりも増えたと言います。
高齢者見守りサービスの利用を機に、家族のつながりを深めることを考えてみてはいかがでしょうか?

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ひとり暮らしのおまもりHP

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