開発者秘話・裏話②:『見守られる側』が「動かない時」に通知が行くシステムにした理由とは

開発者秘話・裏話②:『見守られる側』が「動かない時」に通知が行くシステムにした理由とは

 通常、高齢者見守りサービスというと、『見守られる側』に「動きがあったとき」に通知が届くシステムがほとんどです。
『ひとり暮らしのおまもり』は、それに加えて、一定時間「動きがない時」に異常通知が行く設定があり、こちらをメインとして使用することをお勧めしています。


今回の記事では、なぜ『見守られる側』が「動かない時」に通知が行くシステムを開発したのか『ひとり暮らしのおまもり』サービス開発者である日本ビジネス開発株式会社の代表である矢野が、そのきっかけとなったストーリーを話します。

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Q:開発当初から「動きがないとき」に通知が行くシステムを考えていましたか?

A:はじめは、センサーに「動きがあったとき」に通知が行く仕組みしか考えていませんでした。

まず、プロトタイプの段階で「動きがあったとき」に通知が行くセンサーを、高齢の母が一人暮らしをする実家で、私自身が試してみました。
その際に、まず迷ったのがセンサーの設置場所です。センサーが動く度に見守る側のスマートフォンにお知らせが行くので、設置場所は1日最低1回~数回程度動く場所が良いかなと思いました。そこで選んだのが、母の寝室のドアです。お手洗いや冷蔵庫のドアでは、開ける頻度が多く通知が届きすぎるだろうと考えたのと、1日何回開けたのか子供に知られるのはプライバシー的にも気になるかなと感じたからです。
ところが、寝室のドアも意外と開け閉めが多く、1日10回くらいアプリに通知が届きました。

 

Q:「動かないとき」に異常通知が行くように改善した理由は何ですか?

A:通知が溜まり、母の具合が悪かったのを見落としたことがきっかけです。

実家で「動きがあったとき」に通知が行く初期のプロトタイプを試した際、最初の数日間はスマートフォンのアプリに来る通知をこまめにチェックしていました。ですが、1週間、1カ月経つと、「通知があるのだから特に問題ないな」と思うようになり、確認しない通知が溜まるようになりました。
ところがある時、本当に偶然だったのですが、お知らせ履歴をアプリで確認していたところ、センサーからの通知が全くなかった日があったことに気づきました。念のために母に電話をしたところ、「その日は具合が悪くて寝ていたけど、どうしてわかったの?」と言われました。
センサーを取り付けていても、母の具合が悪かったことに後から気づいたという体験から「通知が届くのが当たり前になり溜まってしまうと、お知らせがないという異常を見逃してしまう。」ということを実感し、センサーが「動かないとき」という日常と異なる状況になった時にだけお知らせが届くシステムをメインの設定として開発することにしました。
ただ、具合が悪くて寝込んでいる時など活動があったことを確認したいシチュエーションもあると考え、「動きがあったとき」に通知が行くサブ設定も『見守る側』のスマートフォンからアプリで簡単にオンにできるようにしました。

 

Q:今度どのような展開を考えていますか?

A:異常通知を見落すリスクを最小限にできるよう取り組んでいます。

『ひとり暮らしのおまもり』は、一定時間(*1)見守られる側が動いていないという異常があった時に見守る側のスマートフォンに通知が行く仕組みです。スマホに複数のアプリをインストールされている方がほとんどだと思いますが、その中で異常通知が来た時に、より気づきやすくするよう常に改善して行く必要があると感じています。例えば、今は「ひとり暮らしのおまもり」専用アプリにのみ通知が来ますが、今後LINEでも確認できるよう開発を進めています。*
*LINEグループとの連携機能を実装(2023年2月)

またケアウォッチの重要な機能として、見守られる側が緊急事態を知らせたい時に、両側についているボタンを同時に押すと、見守る側のスマホに大きな音でアラートが鳴る機能があります。ケアウォッチの最も重要な機能ですので、見守られる側が常に身に着けていることが重要です。ですが、お気に入りの時計をつけたいという高齢者が多くいらっしゃるので、それと一緒に着けて頂けるよう、ケアウォッチの形状をスリムなバンドにする予定です。
更に将来的には、AIの導入も考えています。現在は一律で12時間*「見守られる側」に「動きがないとき」に異常通知が届きます。ですが将来的には、AIを使って「見守られる側」の1日の生活のリズムとずれた時に通知が行くように開発をすることも検討しています。
*5~18時間の間で自由に設定可能(2023年3月アップデート)

 

Q:最後に利用者の方にメッセージをお願いします。

A:『ひとり暮らしのおまもり』が今ある悩みを少しでも軽減できることを願っています。

当社が今までも行ってきて、そしてこれからも実施して行くのは「今ある技術で今の生活をちょっとでも便利にする」ことです。
『ひとり暮らしのおまもり』は「高齢の親が一人暮らしをしているが、自身の家庭や仕事もあり、親と一緒に住むことや、頻繁に様子を見に行くこともできない・・・。」という状況に置かれた多くの方たちの気懸りを軽減するためのものです。
最新のテクノロジーを駆使して、そのような悩みを少しでも軽減できるよう、継続的にアップデートして行きたいと思っています。

 

ひとり暮らしのおまもりHP

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