ケアマネジャーとは?賢く付き合うための3つのポイント

ケアマネジャーとは?賢く付き合うための3つのポイント

高齢の親がいても今は介護を必要としていない場合、「ケアマネジャーという言葉は聞いたことがあるけれども、実際どのような存在なのかあまり分かっていない・・・。」という方も多いかと思います。もちろん、高齢の親が自立して元気に暮らし続けることが理想ではありますが、将来サポートが必要になった時にケアマネジャーは頼りとなるプロフェッショナルです。
ですが当然のことながら、ケアマネジャーがどのような存在なのかを知らずして、良い関係を築くことは難しいです。
そこで、今回のコラムでは、そのような方のために、ケアマネジャーについてその基本を解説致します。ケアマネジャーの役割を知ることが「親の介護がそろそろ気懸り。」という方の不安解消に少しでもお役に立てば幸いです。

見守りサービスという選択肢も!

 

ケアマネジャーとは

ケアマネジャーの正式名称は、「介護支援専門員」で、その役割は一言で言うと介護を要する高齢者が介護保険サービスを受けられるように、計画書の作成やサービス提供者との調整を行い、必要な支援をマネジメントする専門家です。
ケアマネジャーは、介護支援専門員実-0921務研修受講試験(ケアマネ試験)に合格した有資格者です。受験をするには、介護・医療・福祉分野の資格と5年以上の介護現場における実務経験が必要になります。つまり、ケアマネジャーは、介護に関する実績と知識を有した頼りとなるプロフェッショルなのです。ですので、ケアマネジャーと良い関係を築くことが、最適な介護サービスを受けるための鍵となります。そこで、ケアマネジャーを賢く付き合うための4つのポイントをご紹介致します。

 

ポイント1:まずは『要介護保険申請』をする

介護保険は基本的に65歳以上が対象となりますが、該当する年齢になったからといって、自動的に適用されてケアマネジャーの支援を受けることができる訳ではありません。まずは、『要介護認定の申請』を市区町村の窓口にする必要があります。
申請後の訪問調査で、市区町村から派遣されたケアマネジャーが家庭を訪問し、介護の対象となる高齢者の普段の様子や心身の状態をヒアリングしてくれます。その際、現状の悩みや気懸りを相談することもできます。その訪問調査の結果と、主治医の意見書に基づき、介護認定審査会でどれくらいの介護を必要とするか判定されますが、それまで1カ月くらいかかります。
介護保険制度では、結果が通知される前であっても後日、要介護認定が下りたときに、申請した日に遡って保険給付を受けることができるので、「判定がでるまでの期間も介護保険サービスを受けたい」などの希望がある場合には、担当のケアマネジャーに相談することをお勧め致します。
なお、『要介護支援』の詳しい申請のフローはこちらをご覧ください。

>関連記事はこちら「一人暮らしの親でも利用できる介護保険適用のサービスとは

 

ポイント2:ケアマネジャーの役割・依頼できることを理解する

 ケアマネジャーと賢く付き合うためには、役割と依頼できることを正しく理解することが重要です。ケアマネジャーの役割は多岐に渡りますが、介護保険の利用者に役立つことは以下の4つです。

1.要介護認定や介護サービスの申請代行
先にお伝えした『要介護認定』の申請を、利用者やその家族が行うことが難しい場合、ケアマネジャーに代行を依頼することができます。また、介護保険の変更・更新、配食サービス、訪問理容サービスなどの申請代行も依頼することができます。

2.ケアプランの作成
ケアプランとは、支援が必要な高齢者がどのような介護サービスを受ければ介護状態の機能悪化防止や自立を促進できるかを考えて、介護サービスを組み合わせた計画書です。
ケアプランを作成する際、ケアマネジャーは『アセスメント』と呼ばれる面談を利用者とその家族と行い、どのような生活を望んでいるか、そのために必要なことは何かなど、計画する上でのポイントを明確にします。アセスメントをもとに、ケアマネジャーは、必要となる介護サービスを提供する各事業者に連絡し、サービスの種類、利用回数、時間、料金などをまとめ、ケアプランの原案を作成します。ケアプランの原案ができたら、利用者と家族に説明し、希望に沿ったものか確認した上で、利用者と家族が同席のもと、介護サービス提供事業者、主治医などの関係者を集め「サービス担当者会議」を開き、ケアプランを完成させます。その際の、日程調整などもケアマネジャーが行います。
なおケアプランの作成の際の、ケアマネジャーへの支払いはすべて介護保険により賄われているため、利用者の自己負担はありません。(※2023年6月現在)
(参照元:「【はじめての方へ】ケアプランとは?作成方法や注意すべき点ライフル介護)

3.利用者・家族とサービス提供者との橋渡し
ケアマネジャーは、サービスの利用者と提供者の間に入り、以下のような多様な場面で調整役を担います。
・ケアプランに即して適切に実行されるようマネジメント。
・利用者の介護状態の機能悪化防止や自立の促進といった目標が達成されるよう調節。
・普段から両者に密に連絡を取り、体調の変化などに対して迅速に対応。
・トラブルが発生した場合には、中立な立場で解決。
(「ケアマネジャーの役割は?仕事内容や家族との関わり方を紹介」レバウェル介護)

4.入退院や施設入所の支援
ケアマネジャーは、利用者の入退院や施設入所もサポートしてくれます。退院後に介護が必要になった場合は、受けられる介護サービスをケアマネジャーが調整してくれます。

 

ポイント3:ケアマネジャーに依頼できないことを理解する

ケアマネジャーは、利用者やその家族の困りごとや悩みの相談にも乗るという仕事の特性から、業務範囲外の色々な依頼もお願いされがちです。しかしながら、そのような依頼をして、断られたからといって「融通が利かない・・・」などと一方的な期待をするのは、お互いにとってストレスとなり良好な関係を築くのが難しくなります。
そこで、ケアマネジャーに依頼してはいけないことを理解することも賢く付き合うポイントです。
ここでは思わず依頼しがちなよくあるNG内容をご紹介します。

1.車に乗せて病院に連れて行ってもらう
ケアマネジャーは、医師などの医療関係者と連絡を取り合うことが多いため、「病院に行くならついでに一緒に連れて行ってほしい」とサービス利用者やその家族からお願いされることがよくあると言います。しかしながら、通院するための介助は、介護保険サービス適用となるため、あらかじめケアプランの中に入れておかなければなりません。
無理にお願いした車での移動中に、急に体調が悪くなった、もしくは事故が起きたなど、トラブルの原因にもなりますので、利用者やその家族もケアマネジャーに送迎を依頼してはいけないということを理解しておくことが重要です。

2.ちょっとした家事をお願いする
買い物の付き添いや家の掃除などは、ケアマネジャーの業務範囲外です。「これくらいのことくらい、手伝ってくれてもいいのに・・・」と依頼を聞いてもらえないことに勝手に不満を募らせては、上手く付き合うことはできません。そもそも、業務範囲外の仕事を依頼することは、ケアマネジャーの本来の仕事量を圧迫することになりかねませんので、結果的に利用者にとって本来の目標である「介護状態の機能悪化防止や自立を促進」に対する最適なサービスが滞る可能性もあります。
利用者もその家族も、ケアマネジャーは介護保険サービス支援におけるプロであると、リスペクトをし、依頼できないサービスに対しては線引きをはっきり理解しておくことが望ましいです。

3.介護保険に関係のない行政手続きを頼む
ケアマネジャーは、先にお伝えしたように『要介護認定』や、介護保険の変更・更新など、介護保険に関わる申請のサポートをしてくれます。その特性から「住民票を取ってきてほしい」、「印鑑証明が必要」など他の行政手続きや書類取得を頼まれることも多いというお悩みをよくお伺いします。
ケアマネジャーは介護保険以外の申請代行や手続きは責務の範囲外です。そのような手続きを無理にお願いすると、お互いにとって後からトラブルになる可能性があるので、利用者やその家族もケアマネジャーに業務範囲外の仕事を依頼しないよう注意が必要です。

(参照元「ケアマネージャーが利用者にやってはいけないことは?
業務の範囲や注意点を解説!」日建リース工業株式会社)

 今回のコラムでは、ケアマネジャーについてご紹介致しました。この記事を読まれたということは、「親が高齢だけれども、まだ介護保険を申請するほどではない。」という状況にある方がほとんどかと思います。そのような方にお勧めしたいのが、見守りサービスです。『ひとり暮らしのお守り』は手軽に低価格で始められるサービスのため、親が一人暮らしをしている方だけでなく、同居されている方も多く導入されています。
「親が一人で家にいることが多い」という方は是非、こちらの記事もご覧ください。
>関連記事「見守りサービスは高齢の親が近くに住んでいる場合でもこんな使い方ができます!見守りサービスで安心して生活をするためのポイントとは?

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