【注意】熱中症を発症する確率が最も高いのは高齢者!一人暮らしをする親のためにできる対策とは

【注意】熱中症を発症する確率が最も高いのは高齢者!一人暮らしをする親のためにできる対策とは

毎年、夏になると注意を喚起される熱中症。それにも関わらず、消防庁が発表したデータによると、昨年東京都では、熱中症による救急搬送人員は歴代最高の7,112人でした。2022年が6,013人であったことから、2023年は前年比18%増ということになります。
年代別に見ると、80歳代が1,556人と最も多く、次いで70歳代が1,321人となっており、特に高齢者が熱中症により救急搬送されているといいます。(2023年6~9月)
そこで、今回のコラムでは、なぜ高齢者が熱中症になりやすいのか、また高齢の親が遠くに離れて暮らしている場合、子としてどのような対策ができるのかをご紹介します。
(参照元:熱中症、こんな人は特に注意! 一般財団法人日本気象協会/ 熱中症に注意 東京消防庁)

 「高齢の親をさりげなく見守る」という選択肢も!

 

高齢者が熱中症が引きおこしやすい理由とは

まず、熱中症とはそもそも何か、そして熱中症が引き起こされる要因を見てみたいと思います。政府は「熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節 機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態」と定義しており、その要因は3つあるとしています。


【熱中症を引き起こす3つの要因】

①環境

・気温が高い ・日差しが強い     ・急に暑くなった日
・湿度が高い ・締め切った室内    ・熱波の襲来
・風が弱い  ・エアコンのない部屋

②からだ

・高齢者、乳幼児、肥満の方      ・脱水状態
・糖尿病や精神疾患といった持病    ・低栄養状態    
・体調不良(二日酔い、寝不足など)  ・汗が出ない
・皮膚から逃げる熱が少なくなる    ・運動・活動で体温上昇

③行動 ・激しい筋肉運動や、慣れない運動
・長時間の野外作業
・水分補給が十分でない

 

熱中症を引き起こす「からだ」の要因として挙げられているのが「高齢」であることです。高齢化社会が進む中、健康寿命への意識が高まると同時に、活動的なお年寄りが年々増えています。実際、日本人の健康寿命が延びているという厚生労働省によるデータがあります。平成13年と平成22年を比べると、男性は69.40年から70.42年 へと1.02年、女性は72.65年から73.62年と0.97年延びていると言います。
このような健康寿命の延びに関わらず、高齢になればなるほど熱中症のリスクは高くなると言われているのはなぜでしょうか。その理由は主に5つあると言われています。

熱中症対策関連情報 環境省/熱中症予防のための情報・資料サイト 厚生労働省熱中症の原因 第一三共ヘルスケア/熱中症予防のための情報・資料サイト 厚生労働省/高齢者エアコン購入設置費用助成 港区/平均寿命と健康寿命をみる 2  厚生労働省)

【高齢者が熱中症になりやすい5つの理由】

1.筋肉量が少ない
実は、水分を体に貯めるタンクとして重要な役割を果たしている機能は筋肉です。筋肉の約75%が水分から出来ています。
高齢になればなるほど、筋肉量が低下するため脱水状態になりやすく熱中症を引き起こしやすいのです。

2.飲んだり食べたりする量が減っている
通常、栄養バランスのとれた1回の食事から約 1~1.5リットルの水分を補給できると言います。しかしながら、高齢になって食が細くなっている場合、食事から十分な水分補給ができていないため、熱中症のリスクが高まるということがあります。

3.のどの渇きや暑さに気がつきにくくなる
加齢と共に感覚機能が低下して行くため、高齢者はのどが渇いていることや、暑さに気がつかないということがあります。
さらに、加齢による記憶力の低下から、自分が長時間にわたって水分補給しないで過ごしている状態にあること自体を忘れている場合もあります。特に、認知症の症状がある人は、『飲み物』という概念そのものを忘れていることもあると言います。

4.水分をこまめにとる習慣がない・抵抗がある
「部活中に水を飲むな」と言われたのは高齢の親を持つ子世代も同じだったのではないでしょうか? 特に現在の高齢者は、こまめに水分補給をするという文化がなかった時代で育ったため、そのような習慣がそもそもないということがあります。
それに加えて、高齢になると座る、立つ、歩く、洋服の脱ぎ着をするといった日常の動きもだんだん負担に感じるようになります。そこで「トイレに行く回数を減らしたい」という気持ちから水分を取らず脱水状態になる、そして最悪の場合、熱中症になるということがあります。

5.水分を飲みこむ力が弱っている
高齢になると、唾液の分泌量が少なくなる、のど仏を動かす筋力が弱くということがあり、飲みこむ力が弱ってきます。このような症状は『嚥下障害』と言われています。
嚥下障害によりむせやすくなると「水分補給が必要なのはわかっているけれど、億劫だ…」と水分補給を敬遠し、脱水状態から熱中症になりやすいと言います。

>関連記事はこちら:高齢者は喉を詰まらせる事故にご注意!『飲みこむ力』が衰える原因と対策をご紹介

(参照元:「素早く見つけて、すぐ対策!」大塚製薬工場/水分と身体の関係について 高見澤整形外科クリニック/実は、食事も水分補給 - あきる野市/高齢者の脱水症状に要注意!予兆と原因、正しい予防と対処法 HITOWAケアサービス株式会社/それは、嚥下障害かもしれません。 エバースマイル)

 

一人暮らしをする親のために子ができる熱中症対策とは

高齢の親がいる方からよくお伺いする熱中症対策のお悩みは「親に水分補給を勧めてもぜんぜん改善しない…」というものです。子としては親のためと思っていても、上記にご紹介したように高齢者にとって水分補給は様々な理由から、実は体力的にも精神的にも『億劫』なのです。
そこで、高齢の親でも無理なくでき、子もさりげなくサポートできる熱中症対策をご紹介します。

1.水分補給率の高い飲み物を勧める
理想としては、こまめに水分補給をすることですが、高齢の親が様々な理由から行動変容できない、もしくはしない場合、水分補給効率の高い『飲み物』をとるように勧めることが効果的です。
スポーツドリンクや、経口補水液などをとることで、通常の水よりも効率のよい水分補給をすることができます。さらに、飲む力が弱っている場合、ゼリータイプのものが最適でしょう。
親が一人暮らしをしている場合は、重い飲み物を暑い中買いに行くのも負担になります。親がインターネットで購入することを自分でできないということがあれば、子が代わりにまとめ買いをして送ってあげるのも良いでしょう。

【経口補水液による脱水症&熱中症対策】

2.サプリを勧める
高齢者の熱中症対策には、水分補給だけでは不十分であると言われています。その理由は、先にお伝えしたように、高齢者は、食が細くなっている、筋肉量が減少しているということがあるからです。
食が細くなっている場合、マルチビタミンなどを勧めることも良いでしょう。筋肉量を維持するために、タンパク質の消化吸収を良くしたアミノ酸も良いかもしれません。
サプリを飲みこむ際に、水分も一緒にとることになりますので、サプリをとる習慣自体が水分補給にもなります。
親が子からのまめな水分補給のアドバイスは受け入れなかったのに、サプリを勧めたら喜んで受け入れたという話もよくお伺いします。もちろん親の性格にもよりますが、サプリの方が「子が自分の健康を気にかけてくれている」と伝わりやすいということがあるようです。さらに、多様なサプリがある中、親がどれを飲んだらよいかわからず、子に選んでもらえると嬉しいということもあると言います。
ただし、親が薬を飲んでいる場合は、かかりつけの医師に飲み合わせを確認した上でサプリを購入することが必須でしょう。

(参照元:水だけでは不十分!熱中症対策にはタンパク質をさかなの力/高齢者とアミノ酸 味の素株式会社)

3.いざという時の見守り体制を整える
高齢の親が一人暮らしをしていて、急な熱中症のリスクに不安を感じているという方にお勧めしたいのが、高齢者向け見守りサービスです。
現在、様々な高齢者見守りサービスがありますが、この夏、熱中症対策としてお勧めしたいのが『ひとり暮らしのおまもり』です。というのも、同サービスは、月額費用無料、工事不要なため、すぐにでも見守りを始めることができるからです。
しかも同サービスは、センサーに一定時間*動きがないという異常がある時にだけ子のスマートフォンに通知が行くシステムなため、互いの生活を尊重しながら見守ることができます。*5~24時間の間で自由に設定可能)
とはいっても、熱中症の怖いところは、急に発症すること。『ひとり暮らしのおまもり』は、見守られる側が異常を知らせたい時に「ケアウォッチ*」の左右のボタンを同時に押すと、見守る側のスマホに大きな音でアラートを送ることができるので、急に具合が悪くなった時でも親は子に知らせることができます。*オプション

>関連記事:なぜ「動きが無いとき」にだけ通知がある高齢者見守りシステムがおすすめなのか?:3つの理由とは

『ひとり暮らしのおまもり』は、初期設定の時だけ、実家に設置する「ステーション」と子のスマートフォン(無料アプリ)を連動させる必要があります。この夏、実家に帰省する際に設置されることを検討されてみてはいかがでしょうか。

>関連記事:帰省時にオススメ!高齢の親が子にしてもらって喜ぶコトとは

ひとり暮らしのおまもりHP

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